ぎふベジ


岐阜市園芸振興会 えだまめ部会近藤 修司 会長のお話(2026年7月取材)

7月中旬、岐阜市の曽我屋地区では露地栽培のえだまめが収穫の最盛期を迎えていました。近藤修司さんは、代々この地でえだまめ農家を営んできた三代目。鮮度にこだわり、夜明け前から奥さんとともに暗闇に包まれた圃場へと出かけ、その日の出荷分を朝採りしています。

「えだまめに限らず、野菜は早朝の気温の低いうちに収穫するのが鮮度を維持するには最適なんです。農家さんそれぞれでやり方がありますが、うちは豆のことを考えると午前2時に摘み取るのが、体力的にも生活のリズム的にも合っとるもんで。」

そう言って、ワハハと快活に笑う近藤さん。えだまめの生産に携わるようになったのは14年前。それまで、製造関連の企業で営業マンをしていました。

「41歳でこの道に入って、今55歳です。農家では若手なほうかもしれませんね。両親でえだまめづくりをやっておりましたが、僕がいい加減な息子やったもんで、結婚するまで一切手伝わんかったんです。あるとき、母、父と順に身体を壊してしまって。学生時代から定年後は継ぐんやろうなと思ってはいたので、時期が早まっただけなんですが、農作業は一人ではできんもんで、まずはカミさんに『どうする?』と相談しました。そしたら、『あんたがやるんならええよ』と。ならやるか、と簡単な気持ちで始めてしまいました。ワハハハハ!」
右も左もわからなかった近藤さんを一から丁寧に農業指導したのは、先代の父とえだまめ部会の仲間たちでした。ひたむきに生産のやり方を身につけていく中、会社勤めとはすべてが違い、戸惑うことも多々あったと近藤さんは振り返ります。

「たとえば、会社は大きな成果をあげなくとも固定給が保証されるけど、農業収入は天候次第、出荷量次第。格好つけるわけでなく、そういった部分がすごくリアルだと思いました。その点、部会の仲間からはたくさん刺激を受けとるね。自分が一仕事終えた後に、まだ収穫作業を続けているレジェンド世代を見かけたりすると、すげぇ!じいさんまだ仕事しとるげ! 俺も負けとれん! と、モチベーションが一気に上がります(笑)」
現在、15反(約1.5ヘクタール)の圃場でえだまめを生産している近藤さん。バイタリティにあふれる人柄で人望も厚く、地域の部会では部会長も務めていますが、「自分はまだまだひよっこ」だと、努力を惜しむことはありません。

「農業は体力はもちろんですが、想像以上に頭も使います。去年のように高温干ばつで芽を出さなかったとか病害虫被害といったイレギュラーなことが起こったとき、どう対処するか。自分なりにデータを取っていますが、そればっかりじゃないもんで、試行錯誤の毎日です。部会で情報交換したり、話し合って対策方法を取り入れたり、先輩がたのアドバイスを真似てみるんですが、それが自分の圃場に合うか合わないかは別の話で。以前、レジェンドの一人が『まだまだ勉強や』と言っているのを聞いて、何歳まで勉強する気や?と思っていましたが、確かにそうやと、今は身を持って実感しています。」
大粒で甘みに富み、全国の市場から高い評価を得ている岐阜えだまめ。高齢化で生産者が減り、出荷量も減少傾向にありますが、「先輩がたが培ってきた岐阜えだまめというブランドを守っていかなかん」と、近藤さんも肩に力が入ります。部会の最年少は30代。幅広い世代と切磋琢磨しながら、さらなる品質向上と生産維持を目標に掲げ、近藤さんは挑み続けます。

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