「ぎふベジ」が生産されている岐阜市及び周辺市町は、日本の真ん中に位置し、木曽川、長良川、揖斐川の美しい三大河川に囲まれた実り豊かな平野部と緑豊かな山々などの自然環境に恵まれた地域です。地域を流れる河川の豊富な水資源と流域の恵まれた土壌を活かし、育てられた「ぎふベジ」を、新鮮なまま消費者のみなさんの手に取っていただけるよう地産地消に取り組んでいます。
そんな安全・安心にこだわった「ぎふベジ」の生産者を紹介します。
※役職はインタビュー当時のものです。
たまねぎは季節を問わず食べられる印象がありますが、みずみずしく甘みのある新たまねぎは3~5月が旬。5月末ごろ、岐阜市七郷地区の畑では、収穫を待ちきれない様子で新たまねぎが畑土から丸々とした顔を出していました。七郷地区と木田地区で米と小麦を作っている本田忠男さんは、田植えの合間に新たまねぎの収穫にいそしんでいます。
大粒で、ほんのり朱色を帯びた艶やかな赤の果実が特徴的な「美濃娘」。岐阜いちごを代表する品種の一つです。収穫は12月に始まって5月いっぱいまで続き、3月は最盛期。いちごづくりに携わりまだ4年目という岐阜市合渡地区の小野一樹さんも、忙しい毎日を送っています。
東海道新幹線が停まる岐阜羽島駅でおなじみの羽島市は、岐阜県有数のぎんなん産地です。10月中旬、羽島市のイチョウの木々は葉が黄色に色づくのも待てない様子で、たわわに実をつけていました。品種は飛騨・美濃伝統野菜に認定されている「藤九郎」。一般のぎんなんより粒が大きく、薄めの殼が特徴です。ぎんなん農家の後藤清さんのところでも収穫が始まっていました。
露地栽培のえだまめが7~8月、最盛期を迎えました。岐阜市鷺山地区で1町5反(=約14961.25㎡)の圃場を持つ北川清典さんも、毎朝の刈り取りと出荷作業で忙しい夏を送っています。北川さんのところでは『岐阜えだまめ』の他、『湯あがり娘』という品種も作っています。
青々と葉を茂らせ、「早く引いて」と言わんばかりに土の中からすっくと伸びる春だいこん。岐阜市則武地区では毎年2月20日頃から春だいこんの出荷が始まり、3月、髙橋秀雄さんのハウスも収穫の最盛期を迎えています。栽培品種は「優等生」。色白で美しい容姿に加えて甘さがあり、みずみずしい食べごたえが特徴です。
ぽってりと丸く大玉の富有柿。長良川に育まれた岐阜市の肥沃な土壌は、かきづくりにも適しており、瑞穂市や本巣市糸貫と並んで冬の名産品です。11月初旬、七郷地区にある広瀬育夫さんの果樹園では、色づき始めた富有柿が鈴なりに実り、収穫を今かと待ちわびていました。
長良川に夏の訪れを告げるのは、鵜飼観覧船だけではありません。右岸河畔を走る県道94号沿いにずらりと軒を連ねるぶどう直売所もまた、この季節ならではの風物詩。ぶどう部会の酒井政彦部会長が営む志段見地区のぶどう園ではデラウエアが最盛期を迎え、今年も7月中旬から右岸の直売所での販売が始まりました。
岐阜のトマトは、夏が旬の高冷地栽培のものだけではありません。冬から春にかけて、平坦地で栽培されたトマトが旬を迎えます。岐阜市三輪地区でトマト栽培に勤しむ若き農家、藤井美香さんのハウスでは、桃太郎ネクストとミニトマトの収穫で忙しい毎日が続いています。
冬場が旬のほうれんそうは、岐阜市島地区が代表的な産地。その栽培の歴史は50年以上と言われ、9月ごろ最初の種を蒔き始め、春までかけてその収穫は続きます。青木基代司さんは島地区で7代続く旧家の当主。幹線道路と住宅に囲まれた畑で、ほうれんそう栽培に精を出しています。
箱の中でぐるぐると巻かれ、べっ甲色に輝く『守口漬』。長さ1m以上にもおよぶ細長い守口だいこんを2〜3年かけて酒かすに漬け込んだ漬物で、古くからお歳暮やお中元などの贈答品として親しまれています。守口だいこんは、岐阜と愛知の一部が主な産地。だいこんの中でも長さが際立った品種で、飛騨美濃伝統野菜に指定されています。山田智明さんは30年来、この守口だいこんの生産に勤しんでいます。
「祖父の代から長良川の近くで守口だいこんを作ってきました。昔は今みたいに専用の機械がなかったから、腰の深さまで畑を掘って種を蒔いて、収穫するのも手引きでね。大変やったと思います。私は高校を卒業してから自動車製造業の会社でサラリーマンをしておったんですけど、親父が体調を崩したのを機に、会社を辞めて家業を継ぎました。32、33歳頃だったね。」
8月の幸水の収穫が一段落し、9月は豊水の出荷が最盛期を迎える、岐阜のなし栽培。加藤豊司さんが部会長を務める『岐阜市なし部会』では、ぎふクリーン農業*を取得して安全・安心ななしの生産に取り組んでいます。
* ぎふクリーン農業……有機物等を有効に活用した土づくり並びに環境への負荷の大きい化学肥料、化学合成農薬等の効率的な使用と節減を基本とし、生産性と調和できる実践可能な環境にやさしい農業。
岐阜では5月から出荷が始まり、7〜8月に最盛期を迎えるえだまめ。今回取材したのは、平成17(2005)年頃から岐阜市曽我屋地区でえだまめを生産している安藤増光さん。町役場を定年まで勤め上げ、リタイア後に農業に入ったという経歴の持ち主です。
栄養バランスに優れたブロッコリーは通年食べられますが、11 月~3 月が旬の野菜。 松野芳正さんは、岐阜市西郷地区で平成 20(2008)年にブロッコリー作りをスタート。 以来、春は朝 4 時、秋冬は朝 6 時半と、まだ薄暗い日の出前から圃場に出てブロッコ リー収穫に励んでいます。
秋から初冬にかけて、ねぎの収穫がピークを迎えます。北長森地区で農業に就いて約52年の林敏信さんが、ねぎ作りを始めたのは20年程前のこと。現在、ねぎや春キャベツ、ブロッコリー等を栽培し、作物がうまく育つためのサイクルを考えた輪作に取り組んでいます。
夏期は種まきから収穫まで約30日。生育が早く、比較的育てやすいといわれるこまつなは、長良川以北でも栽培されています。合渡地区で3連棟型ハウス7棟を共同経営している永田俊幸さんは、今年でこまつな栽培歴約30年。作付けは年4回程度で、シーズン一番のえだまめを収穫した後、こまつなを栽培しています。
「明智光秀の生誕の地」の伝承が残る山県市。里山が広がる伊自良地域では、平成20(2008)年から行政と市民がタッグを組んで始めた、にんにく栽培が大成功。にんにく『元気玉』が市を代表する農産物の一つになっています。その『元気玉』づくりに尽力してきたのが、美濃山県元気ファーム(以下、元気ファーム)の棚橋武司さんです。
岐阜市の中心部にほど近い長良川以北の肥沃な砂壌土に恵まれた島地区は50年余の栽培の歴史を誇る、ほうれんそうの特産地。収穫は10月にはじまり、冬を越して4月まで続きます。岐阜市園芸振興会で130戸のほうれんそう農家を束ねる近藤徹さんも、収穫と出荷で慌ただしい毎日を過ごしています。
10月下旬頃に稲刈りのピークを迎えるハツシモ。岐阜県の奨励品種ブランド米で、その作付面積は県内の30%以上を占めると言われています。後藤宗夫さんは、岐阜市の三輪地域で代々お米づくりに従事してきた“お米のプロフェッショナル”。現在40haもの田んぼで、ハツシモを中心に8種類のお米を息子さん・弟さんと3人で栽培しています。
12月〜3月にかけて最盛期を迎える「岐阜いちご」。岐阜市日置江地区で22年来、いちごづくりを行っている江崎和浩さんも、冬は収穫で大忙しです。いちごの新規就農者が増えていますが、江崎さんも異業種からこの道に入った一人です。
長良川流域のきめ細かな砂壌土が育む、春だいこん。白く美しい容姿と甘みを含んだみずみずしい味わいから、市場でも高く評価されています。
農業の後継者問題が深刻化する中、20代の若さで自ら農業の道へと進んだ國井麻衣さん。そんな麻衣さんに農業の魅力を聞きました。
1990年、岐阜市生まれ。花き(かき)農家を営む両親のもとで育ち、家業を継ぐべく岐阜農林高校から東京農業大学農学部に進学。卒業後は関東の種苗会社に一年勤務し、2014年より実家の花栽培に携わるも露地野菜に方向転換。2015年、新規就農者となり、現在5反(=5,000㎡)の畑で様々な作物を栽培している。
昨年、2個32万4000円もの高値で取引された「天下富舞(てんかふぶ)」。岐阜県が開発したこの高級柿の栽培に、今年度から取り組んでいるのが内藤信義さんです。
長良川右岸の堤防沿いに立ち並ぶ、ぶどうの直売所。岐阜市の夏の風物詩ともいうべきこの景色は、1970年代頃から始まったと言われています。
市川雅己さんは、昭和51年(1976年)から岐阜市島地区でえだまめの生産に携わり、この道一筋41年。最盛期は朝4時から畑に出かけ、収穫作業を行います。